貼り箱の製作は、下地作りから始まります。
チップボールという厚紙を使って、芯となる箱を作っていくのですが、
厚紙にもいろいろな種類があります。
中に入れる商品に合わせて、厚みの違う厚紙の寸法を決めます。
そして、一枚の厚紙を寸法に合わせて、断裁していきます。
断裁といっても、ただ、切るだけではありません。
貼り箱の場合は、トムソン箱のように抜いて作るのとは違い、厚紙を部品とし、それを組み合わせることで製作していきます。
しかも、その部品は下地になるので、貼り紙を貼ることを見越して組み立てられるよう、設計しなければいけません。
そのため、断裁の段階で、いろいろと注意が必要です。
まず、紙の取り都合を考えます。
紙の取り都合とは・・・
紙の目を見ながら、どうやって断裁すれば、多く芯地ができるかを考える
というもの
小学校で習う算数を駆使しながら、面積を計算していきます。
これができたら、断裁を始めます。
どんなお仕事でもそうかもしれませんが、丁寧に早く。
紙をしっかり揃えて、ずれないように断裁していく。
簡単なようですが、きちんと揃えるという作業は、丁寧さを心がけないとすぐに、ばらつきが出てしまいます。
そして、貼り箱製作は分業制です。
芯地ができないと、次の作業が滞ってしまいます。
ここでの寸法が違ったり、真っ直ぐに切れていなかったりすると、箱の仕上がりに大きく影響します。
とっても大事な仕事で、今は社長が担っています。
次に四角に切った厚紙の角を落とし、線をつけていきます。
角を落とす=高さを決める
ということ。
これも、微妙に調整をしながら、高さを決めていきます。
線をつける=折れ線
折紙をイメージしていただくと良いですが、折れ線が曲がると、仕上がりが綺麗になりませんよね。
そして、つける位置で、形が決まっていきます。
今までは、古い機械で行っていましたが、新しい設備を入れることで、調整がしやすくなりました
そうして、下地が出来上がり、貼り作業へバトンタッチ!
貼り箱は様々な工程を経て、箱に仕上がっていきますが、断裁職人は、この最初、箱の形状を作る、箱の設計士のような仕事です。
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